
「親の実家が空き家」「遠方に住んで管理できない」など、誰も住んでいない空き家を放置すると、大きな問題が発生する可能性があります。
目次
空き家放置のデメリット
維持管理のコスト・固定資産税などの負担がかかる
空き家は、適切な管理がされないと、劣化が早く進んでしまいます。
そして、外壁や屋根の補修、水道や電気の維持費、草刈りや清掃など、空き家の維持管理にはコストや手間がかかります。また、誰も住んでいない空き家でも、固定資産税や都市計画税などの税金がかかります。空き家を所有しているだけで、経済的・精神的な負担が増えることになります。
参照:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)
犯罪に巻き込まれるリスクがある

空き家は、不法侵入や放火など犯罪の温床となるおそれがあります。
なぜなら、空き家は、人目もなく、監視もされません。そのため、不審者やホームレスなどが侵入しやすい環境です。空き家で起こる犯罪・トラブルの原因を考えたとき、以下のような特徴を持つ空き家は特に注意が必要です。
・庭木が荒れ放題
・雨戸が常に閉まっている
・壁や屋根など、住宅設備が傷んでいる
・家屋周辺にごみが散乱している
・窓や扉が壊れたまま放置されている
つまり、明らかに人が住んでいない雰囲気を感じさせる空き家は狙われやすいため、特に注意が必要です。
空き家の放置は近隣住民とトラブルに
放置された空き家は、近隣住民とのトラブルの原因となります。
・廃墟化した空き家の倒壊
・敷地内の植物の越境・隣地への侵食
・異臭や騒音、害虫の発生
・近隣の資産価値の低下
・放火
空き家がもたらす損害は、所有者が賠償責任を負わされる可能性があります。損害賠償額は数千万円から数億円と非常に高額になるケースが想定されます。そのため、近隣の方に危険を及ぼさないよう、しっかりと管理を行う必要があります。
2025年11月に大分県大分市で発生した大規模火災の約4割が空き家だったという事例もあります。空き家を放置は、火災の原因になりうる場合もあるのです。早めに対策をしておきましょう!
参照記事:“火災の原因になったら損害賠償リスク・更地にして売れなかったら税金が6倍にも”深刻化する「空き家問題」自分や親の家をどうするか?「元気なうちに話し合いを」
行政から指導や勧告などを受ける可能性がある
空き家の問題に対して、平成26年に『空家等対策の推進に関する特別措置法』が成立しました。
空き家を放置し、倒壊などの恐れがある空き家を『特定空家』とし、行政が指導や勧告、命令ができるようになりました。
参照:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
●空家等対策特別措置法とは?
・空き家の実態調査
・空き家の所有者へ適切な管理の指導
・空き家の跡地についての活用促進
・適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定ができる
・特定空家に対して、助言・指導・勧告・命令ができる
・特定空家に対して罰金や行政代執行を行うことができる
例えば、建物が老朽化して倒壊しそうである、庭の草木が成長して道路にはみ出している、捨てられたゴミのせいで害獣が発生しているなどの場合、所有者はすぐにその状況を改善する必要があります。しかし、勧告されても所有者が対処しない場合、市町村は所有者に対して改善の命令を出します。
命令は助言、勧告といった行政指導よりも重く、行政処分と言われる行為で、空家等対策特別措置法では命令に背くと50万円以下の罰金が科されることになります。
空き家の問題を解決するには?

空き家に住む
所有者が実際に住むことは、問題解決のための最も簡単な方法です。所有者が住めない場合は、貸出をするという手もあります。
管理を継続
定期的に訪れて、管理を継続すれば「特定空家等」に指定されるリスクや倒壊・火災などの危険性を低減できます。しかし、管理費や修繕費、遠方からの交通費など、管理するための費用と労力の負担は避けられません。
有効活用する
自分では住まないが、手放さずに収益化・有効利用したい場合の選択肢です。
●賃貸物件として貸し出す
戸建て賃貸、シェアハウス、DIY賃貸など、建物の状態や立地に合わせて様々な貸し方があります。
●事業用物件として貸し出す
店舗、オフィス、コワーキングスペース、宿泊施設(民泊)、介護施設(グループホーム)など、用途を変更して貸し出す方法です。
その他の活用: 駐車場や資材置き場、トランクルームとして貸し出す方法や、自治体に寄付して公的活用してもらう方法もあります。
更地にする
空き家を解体して更地にする方法です。その結果、建物の倒壊や特定空き家への指定につながる環境悪化のリスクは少なくなりますが、管理は継続しなければなりません。
売却する
空き家の所有による問題を完全に解決したいのなら、売却するのは最もおすすめの方法です。老朽化が進んでいる場合は買い手が見つかりにくいこともあります。専門の買取業者であれば、多少状態が悪くても買い取ってもらえる可能性があります。
空き家に住んだり、更地にしたり、売却するにも、事前に片付けを行うことになります。
空き家を売却前に片付けをしておくと良い主な理由は、内覧時の印象がよくなる場合があるからです。片付けをしていないと、部屋が狭く見えたり、圧迫感を覚えたり、内覧に来た人にマイナスの印象を与えてしまう恐れがあります。少しでも資産価値を高められるよう、片付けをしておきましょう!
空き家の片付けは、自力で行う方法と専門の業者へ依頼する2パターンが考えられます。業者へ依頼する場合は、空き家の片付けの専門性を確認し、相見積もりを取りましょう!
<参照>
●空き家の整理・片付けの作業実績は<空き家整理・片付け>をご覧ください
●実家の遺産整理の作業実績<「実家を片付けたい」遺品整理と粗大ゴミの回収・処分【千葉県・花見川区】>
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