
捨てられない人はものがどんどん増えていき、自宅をゴミ屋敷にしてしまうことがあります。その背景には、様々な心理的要因や社会的な課題が隠れてることが、多くあります。ゴミ屋敷の住人が物を捨てられない理由と、その解決方法についてゴミ屋敷の片付け専門家の視点から解説します。
目次
ゴミを捨てられない人の特徴

物が捨てられない方には、いくつかの共通点があることが分かっています。
カバンがパンパンで、物で溢れている
物を捨てられない方のカバンには、必要以上の物が詰め込まれていることが多いです。
古いレシートや使い終わったティッシュ、不要なパンフレット貰った試供品などがそのまま残されています。
このような方は「いつか必要になるかもしれない」という考えから、日常的に使わないものまでカバンに入れたままにする傾向があります。実際、片付けを依頼されるお客様のカバンを見ると、パンパンの状態の方が多くいらっしゃいます。
周囲と関わりがなく、孤独感を感じている
ゴミ屋敷の住人の多くは、家族や友人、近所の方々との交流が少ない傾向があります。社会から孤立した生活は、外部からの刺激や指摘が減り、自分の生活環境に対する客観的な視点を失いがちです。「誰も来ないから」という理由で、片付ける必要性を感じなくなり、次第に物が溜まっていきます。また、人間関係の希薄さが寂しさを生み、その埋め合わせとして、物への執着が強まるケースも少なくありません。
意外と、女性に多い
一般的なイメージとは異なり、ゴミ屋敷の住人には女性が一定数いるといわれています。
特に、単身女性に多く見られ、特徴として思い出の品への執着が強い傾向が見受けられます。女性は男性に比べて情緒的な価値観を大切にする傾向があり、物に対する思い入れが強くなりやすいからです。例えば、子どもの頃の写真や手紙、亡くなった家族の遺品など、思い出が詰まった品々を手放せないケースは多いです。また、「いつか使うかもしれない」という考えから、古い衣類や調理器具、雑貨などを大量に保管し続ける傾向も、女性に多く見られます。
なぜゴミ屋敷になってしまうのか?捨てられない理由

ゴミ屋敷になってしまう原因は一人一人異なりますが、その背景には共通する要因があります。
捨てられない理由を知るために、自分の環境と照らし合わせてみてください。
多忙による体力や気力の低下
毎日の仕事や家事に追われ、帰宅後は疲労困憊で片付ける気力が残っていない状態が続くと、徐々に家が汚くなっていきます。「今日は疲れたから明日やろう」という思いが積み重なり、気づけば片付けられないほどのゴミが溜まってしまうからです。特に単身世帯では、他の家族からの指摘や協力がないため、状況が悪化しやすい傾向があります。
また不規則な勤務形態の場合、生活リズムが乱れ、片付けの習慣が身につきにくいのも原因の1つです。
物への強い執着心(「もったいない」症候群)
「もしかしたら将来使えるかもしれない」という考えから、不用品を手放せなくなる心理が働きます。
例えば、古い雑誌や新聞を「いつか読み返すかもしれない」と何年も保管し続けたり、壊れた電化製品を「修理して使えるかもしれない」と取っておいたりします。セールやキャンペーンで安く手に入れた商品、もらい物などは特に捨てにくく、使わないまま保管され続けることも多いです。この「もったいない症候群」は日本人に特に強く見られる傾向があります。物の価値を金銭的な面だけでなく、感情的な面からも判断してしまうことから、合理的な整理整頓が難しくなってしまうのです。
孤独感を物で埋めようとする心理
現代社会では、高齢者の独居世帯や単身世帯が増加し、人との関わりが希薄になっている傾向があります。家族や友人、近隣住民との交流が少なくなると、心の空白を物で埋めようとする心理が働きます。
「この品物は○○さんからもらったもの」「あの時の思い出が詰まっている」など、物に対して強い感情的な価値を見出すようになります。孤独感が強まるほど、物への執着も強くなり、手放すことに強い抵抗を感じるようになるのです。特に高齢者や配偶者を亡くした方は、過去の思い出が詰まった品々を捨てることで、大切な思い出を捨てるような感覚になり、より一層物が捨てられなくなります。
汚れた環境に無関心
ゴミ屋敷の住人も、最初は「片付けなければ」と思っていても、少しずつ物が増えていく中で、その状態が「普通」だと感じるようになります。一週間に一つずつ物が増えていくように緩やかに環境が変わるので、本人が状況の悪化に気づきにくく、気づいた時には既に手に負えない状態になっていることが多いです。また、ゴミが溜まった環境に慣れてしまうと、悪臭や不衛生な状態にも鈍感になり、健康上のリスクに気づかなくなってしまいます。
さらに、長期間にわたって汚れた環境で生活していると、「もう元には戻せない」という諦めの気持ちから、さらに片付ける意欲が低下することもあります。
ストーカー被害などによるトラウマ
過去にストーカー被害を受けた方などは、出したゴミを漁られて個人情報を悪用されたり、プライベートを詮索された経験から、ゴミ出し自体が怖くなってしまいます。そのトラウマからゴミ捨てができなくなり、家にゴミを溜め込んでしまう傾向があります。その他、過去にゴミの分別で厳しく注意を受けた経験から、ゴミの分別に自信をなくし、ゴミ出しが億劫になる人もいるでしょう。このように過去に受けたなんらかのトラウマから、ゴミを出せない人もいます。
病気が原因で捨てられなくなっている事例

物が捨てられない人の背景には、医学的な問題が隠れていることがあります。
これらの症状は単なる「怠け」や「だらしなさ」ではなく、病気が原因なので適切な治療やサポートが必要です。
【CASE1】発達障害(ADHD・アスペルガー症候群)
発達障害は先天的な脳の機能特性であり、注意欠如・多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群を含む)などが物の整理整頓に影響を与えることがあります。
ADHDがある方は、整理整頓や物事の優先順位付けが苦手な傾向があり、「片付けよう」と思っても注意が散漫になり、最後まで作業を完了できないことがあります。また、「あとでやろう」という先延ばし傾向も強く、結果として物があふれる状態になりやすいのです。
自閉スペクトラム症の特性を持つ方は、特定の物へのこだわりが強かったり、物の分類や処分の判断が難しかったりすることがあります。例えば、特定のジャンルの本や雑貨を大量に集めてしまったり、「正しい」分類方法にこだわるあまり、他の人から見たら「部屋が散らかっている」という状態になりがちです。
アスペルガー症候群とゴミ屋敷の関係はアスペルガー症候群の人がゴミ屋敷になりやすい理由と対策を解説!をご覧ください。
【CASE2】強迫性障害
強迫性障害は、「意味がない」と分かっていても、特定の考えや行動から逃れられなくなる精神疾患です。「捨てたら不安」「何か悪いことが起こるかもしれない」といった強迫観念に囚われ、物を手放せなくなることがあります。
例えば、レシートや領収書を捨てると「後で必要になったときに困る」という不安が強まり、何年分も保管し続けてしまうケースや、新聞や雑誌を「読み終わっていない」という理由で大量に溜め込むケースなどがあります。強迫性障害による溜め込みの特徴は、捨てることへの強い不安と恐怖感を伴うことです。
物を捨てようとすると、極度の不安や恐怖、時には動悸や発汗などの身体症状が現れることもあります。
【CASE3】ためこみ症(溜め込み症)
ためこみ症の特徴は、実際の価値に関わらず物を捨てることが困難で、生活空間が物で埋め尽くされてしまうことです。
ためこみ症の方は、一般的に価値のない物にも特別な意味や価値を見出し、将来使う可能性や愛着を理由に手放せなくなります。また、自分の持ち物の位置や内容を正確に把握したいという強い欲求があり、他人が片付けることに強い抵抗を示すことも特徴です。さらに問題なのは、ためこみ症の方は自分の状態に気づきにくく、周囲が指摘をしても改善しようという意向を示さないことです。
治療には、認知行動療法的アプローチが有効で、カウンセリング等を通して認知の歪みを正していく必要があります。
【CASE4】うつ病や認知症などの疾患
うつ病や認知症などの精神疾患も、物が捨てられない状態の背景要因となることがあります。
うつ病の方は、気力の低下や意欲の減退により、日常的な片付けや掃除ができなくなることがあるでしょう。「何をするにも疲れる」「何も手につかない」という状態が続き、ゴミを捨てる簡単な作業さえも大きな負担に感じるようになります。認知症の場合は、判断力や遂行機能の低下により、何を捨て何を残すべきかの判断が難しくなります。
さらに、物の管理や整理整頓に関する記憶や能力が失われても、「物を取っておく習慣」だけは残ることがあり、ゴミ屋敷になる場合もあります。
【補足】専門医に相談すべき症状に注意
これまで紹介した病気が原因で物が捨てられず、自宅がゴミ屋敷になっているなら、専門医に相談が必要です。
特にトイレやお風呂が使えず日常生活に支障が出ていたり、家族が片付けようとすると激怒したり、暴れたりするような方を放置してはいけません。症状が悪化すると部屋がゴミ屋敷になるだけでなく、精神的な病による自傷や他害などのリスクが発生する可能性があります。本人、また周りの方のためにも、少しでも「おかしいな」と思うところがあれば、医療機関に相談しましょう。
ゴミ屋敷・捨てられない人は周りの人を頼ろう
捨てられないことが原因で部屋がゴミ屋敷になってしまったら、まず周りの人を頼りましょう。
「こんなこと誰に相談したら良いの」という方向けに、頼るべき人の詳細について説明します。
家族や友人
家族や友人は身近な分、悩みを打ち明けやすい存在です。片付けや整理整頓が得意な人がいれば、具体的なアドバイスをもらえる可能性があります。
一緒に片付けを手伝ってもらえば、自分では捨てられない物も客観的な意見をもらいながら整理できるでしょう。ただし、身近だからこそ言いづらいという方は、次で紹介する行政サービスや専門業者を頼ることも検討してみてください。
行政の支援サービス
高齢の方が独居している場合など、自治体によってはゴミ出し支援サービスを提供していることがあります。例えば、玄関先までゴミを持ってきておけば回収してくれる「ふれあい収集」などのサービスです。また、最近では「ゴミ屋敷条例」を制定している自治体も増えており、清掃費用の一部補助や相談窓口の設置など、様々な支援策を講じています。まずはお住まいの市区町村の福祉課や清掃課に相談してみましょう。
医療機関
ゴミ屋敷になっているのが、物が捨てられない原因が病気である可能性も考えられます。
特に強迫性障害やためこみ症、うつ病などの精神疾患が背景にある場合は、医療機関の受診をおすすめします。認知の歪みなどが解消されないと、家の片付けは一時的なものになりがちです。発達障害等の場合は投薬治療で症状が改善する可能性もあります。統合失調症などの場合も、適切な薬が合えば症状はかなり早く良くなることもあります。
もちろん薬を飲んだからすぐに片付けができるわけではありませんが、徐々に症状が良くなれば普通の生活が送れるようになるでしょう。
地域コミュニティや福祉
自治体や周辺の方の手を借りることも一つの解決策です。
例えば、夜勤が多くてゴミ出しが難しい人は、ご近所で仲が良い方にゴミ出しだけをお願いするという方法もあります。もちろんお礼は大切なので、お菓子を渡すなど感謝の気持ちを示すことを忘れないようにしましょう。また、身体的な障害などがある方は福祉支援サービスを活用できる場合があります。例えば高齢者向けにヘルパーを派遣して、居住スペースを掃除するサービスなどの利用も検討してみてください。
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